順位戦A豊島勝利で名人に挑戦決定!涙の深浦(降級)に胸がつまる

77期の順位戦Aの最終 ~2019年
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順位戦 A級1組

3月1日

一番の注目は、豊島二冠 vs 久保九段。

豊島二冠は、勝てば初の名人挑戦。(負けても、羽生善治 vs 広瀬竜王の勝者とのプレーオフでもう一度、勝てば、名人挑戦が決定する)

豊島二冠が、今日負けて、またプレーオフで負ける確率はそうない、と思う。なので、豊島二冠と佐藤天彦名人の名人戦が見れそうな予感。

また、今日のA級順位戦は、豊島vs久保戦以外の、他の4局(羽生vs広瀬、深浦vs糸谷、三浦vs稲葉、阿久津vs佐藤)  も、全部が必見、名人への挑戦権が決まると同時に、降級者も決まる厳しい勝負です。

 

**対局の様子を追記、更新しました。

深浦九段は糸谷八段に負けて、降級が決定しました。。

深浦九段が、大戦直後のインタビューに、涙で答えられない姿が印象に残っています。見ていて辛くて、胸がつまる思いでした。

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昨年のA級順位戦は史上初、6人のプレーオフだった

昨年は久保、豊島の2人が名人挑戦に一番近かった(6勝3敗で)。それがもつれた結果、史上初の6人のプレーオフになりました。

最後は、羽生竜王(当時)が挑戦権を獲得。羽生九段にしびれました。ここぞという時には必ず勝つ、勝負強さ。実力は当然ですが、その精神力・メンタルの強さもすごいですよね。

ただ、あと1歩のところで名人挑戦を逃した豊島二冠も、悔しかっただろうから、今度こそ!!、と熱く強く思っているはず。

あと1勝で名人に挑戦できそうだった久保王将(当時)は、今年は王将の冠を渡辺棋王に渡し、順位戦A組で降級の危機(今はA級残留は決まっています) や、王将の冠も奪われて、勝負の世界とはいえ、厳しいです。

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順位戦のA級(最終)の5対局に注目!

順位戦の今の状況と、過去の対戦成績を載せてみました。

豊島vs久保 戦

豊島将之

勝てば→初めての名人挑戦権獲得

負ければ→羽生vs広瀬の勝者とプレーオフになる。

久保利明

ここまで4勝4敗なので、A級の中で、勝ち越せるかどうか、の戦い。

降級は無しが確定しています。(4連敗して、降級争いの2番手だった時もあったけど)

 

**過去の対戦成績などは、別(下の方)にまとめますね。

広瀬vs羽生 戦

羽生善治

広瀬章人

2人とも6勝2敗。(豊島二冠は6勝1敗) 豊島二冠が負けた場合のみ、プレーオフになる。そのプレーオフに出るため、絶対勝ちたい、羽生九段と広瀬竜王。

 

過去の対戦成績 羽生vs広瀬

羽生18勝、広瀬12勝。順位戦は、羽生九段の2戦2勝。 羽生九段が少し有利そう?

 

深浦vs糸谷 戦

深浦康市

負けると、降級が決定。もし勝っても、三浦九段が勝てば、深浦九段は降級してしまう。厳しい。。。

深浦九段頑張って欲しい。いつもは糸谷九段を応援してるのですが。

糸谷哲郎

特になし。勝って、順位を上げることのみ。背負うものがない分、戦いやすいかも。

過去の対戦成績 深浦vs糸谷

糸谷6勝、深浦1勝。順位戦は初対局。 この勝率の差がすごい。しかも、1度しか勝ってないとは。深浦九段は、糸谷八段は苦手なのかな?

 

佐藤vs阿久津 戦

佐藤康光

ここまで4勝4敗なので、A級の中で、勝ち越せるかどうか、の戦い。

阿久津主税

ここまで8連敗で、すでに降級は決定しています。

昨年、糸谷八段と一緒にB級1組から昇級してきたばかりですが、全敗でB1に戻るのは辛すぎる。ぜひなんとか1勝して、一矢報いたい、と思いは強いかな。

過去の対戦成績 佐藤vs阿久津

佐藤6勝、阿久津5勝。順位戦は、佐藤1勝。互角、といっていいのかな? 佐藤会長の実績から見たら、阿久津八段は苦手、に入るのかも?

 

三浦vs稲葉 戦

三浦弘行

勝てば、残留決定(自力残留)。負ければ、降級の危機。(だけど、それは深浦九段が勝った場合のみ)

稲葉陽

特に無し。残留は決まっていますし、勝っても負けても、負け越しが決定してます。気楽に戦える、というよりも、稲葉八段のモチベーションは、いまいち上がらないかも?

過去の対戦成績 三浦vs稲葉

三浦7勝、稲葉3勝。順位戦は、稲葉八段の2勝1敗。 うーん、互角か、少し三浦九段が有利かな? とすると、深浦九段の降級が心配です。

 

お待たせしました。

ここからは、一番の注目、豊島vs久保 戦について、です。

豊島&久保の今年度の成績&対戦成績

今年度成績

豊島 0.642

久保 0.457

対戦成績

久保九段の15勝14敗。 互角です。直近の対局は豊島二冠が勝ってます

豊島vs久保 対局開始から

序盤から、昼までの様子を

先手は豊島

戦型は、角交換で、振り飛車です。

20手まで 消費時間が、豊島4分、久保6分、ポンポン進んで

 

何か変な音がする? と思ったら、中継機材のトラブル。10分くらい中断して、無事再開。

昼までの消費時間

39手まで

豊島二冠  1時間27分、久保九段  56分、で、30分ほどの差。

昼メニューは松花堂弁当。

昼食休憩後の対局

大長考の末、豊島二冠の指し手の意味がわからない?

40手、昼食後に久保王将が指してから、41手目に豊島二冠が大長考。指したのが、15時6分。なんと、125分も考えた!

消費時間が、豊島二冠  3時間32分、久保九段 57分。

面白かったのが、この豊島二冠が二時間もの長考の後に打った手の説明が「真意がつかめない」「過激なのはわかるが、長考の中身が謎だ。」だったこと。

16時過ぎの斎藤王座の大判説明でも、「後手を持って受けてみたい」と少し久保九段持ち。

ただ、その直後に、自陣の2八に角を打った豊島二冠。「これが長考の理由だったようだ、攻めが細そうでも意外にうるさい。自陣の玉も堅い」と解説陣の説明が真逆?になってきた。

夕食頃の対局の様子

56手まで

残り時間    豊島二冠 2時間4分、久保九段  3時間7分。豊島二冠は夕食後の大長考がひびき、1時間以上の差。

夕食メニュー  豊島二冠がミニカツカレーセットのせいろそば、久保九段がミニカツ丼セットのせいろそば。

どちらもカツがついているけど、カツ=勝つ なの? ツイッターの写真で見たら、結構なボリュームでした。豊島二冠って、しっかり量を食べても、スレンダーです。

73手まで

金井六段が、形勢判断を豊島勝勢にした頃です。 実際、感想戦で、久保九段は、「65手ぐらいから自信がなくなってきた」と。

85手まで

豊島二冠が、角を切っての攻撃。読み切ってるのかな?  ここから、駒をどんどん捨てながら、攻め続けていきます。

100手まで

久保九段の玉が、金を捨て、逃げる。 残り時間が、豊島二冠 28分、久保九段 22分と、いつの間にか、時間差が逆転していました。

110手まで

解説が「久保が驚異的な粘り腰を発揮している」と。 頑張る久保九段。持ち駒は、飛車、角、金、歩二枚とめちゃたくさんある。だだ、豊島二冠の玉の周りがガチガチに固くて、攻めれそうにない。

12時を回ってまだ終わりません。他の順位戦は終わってます。

122手まで

解説の「久保は攻めの手をほとんど指していない。受けてばっかりで、その受けを淡々と指し続ける、久保の精神力、根性が伝わってくる」 まさに、この通り、です。タイトルをいくつも取る棋士は、皆すごいです。決して諦めない!!!  その姿勢がすばらしい。

 

133手まで

久保九段が投了しました。0時24分でした。

残り時間が、豊島二冠 9分、久保九段 1分。(久保九段は、128手から1分将棋)

豊島二冠が優勢になってからの、久保九段の粘りがすごかった。

 

他の対局について少しだけ

深浦vs糸谷の降級がかかる対局と阿久津八段

対戦成績は、糸谷6勝、深浦1勝で一方的すぎる。しかも今日は糸谷八段が先手。深浦九段ピンチ?

昼ごろの対局の様子

消費時間は、深浦 1時間40分、糸谷 1時間6分。思ったより時間差ないなと思ったら、昼食後、深浦九段が110分の長考

昼食は2人とも松花堂弁当。メニュはこれって決まってるのかな?(糸谷八段はいつも揚げ物のイメージだし)

14時過ぎ、深浦九段は角を切って(角金交換)して金を作る。後手とは思えない攻める深浦九段。

16時過ぎの対局の様子

50手。

斎藤王座は糸谷持ち、鈴木九段と佐々木大地五段は深浦持ち。(持ち時間は糸谷八段の方が1時間10分多い)

56手

深浦九段が、飛車の頭に2三歩と打つ。これが、敗着となったらしい。(8一飛なら、もつれていた、と)  糸谷八段は飛車切りで応える。読み切ったのか糸谷八段?

夕食頃の対局の様子

73手まで 解説は、先手優勢、急転直下の展開と。残り時間は、深浦 1時間26分、糸谷3時間17分。2時間近い時間差になってます。

夕食メニューは、深浦九段がミニカツカレーセット(ご飯少なめ、ミニ蕎麦なし)、糸谷八段は穴子丼。

ツイッターで、A級棋士全員のメニューを見たら、全員が寿司か、ミニ〇〇を注文してました。糸谷八段のメニューだけに、”ミニ“の文字がない。。。 1人だけたっぷり食べた ?糸谷八段。

夕食後の対局再開

74手 深浦九段は、46分考え、指すと、糸谷八段は1分で返す。

76手 深浦九段、37分考える。と、糸谷八段はまた、1分で指す。しかも金取り。深浦九段の玉の周りに誰もいなくなった(守りの駒が)。。。 深浦九段の残り時間が3分、糸谷八段は3時間15分。絶体絶命。

83手 深浦九段が1分将棋に。

糸谷八段の勝利で、深浦九段の涙と降級

91手で、深浦九段が投了。20時24分。深浦九段の降級が決まった瞬間でした。

深浦九段は、うつ向いて、目のあたりを手でこするような場面があり、記者の質問に、すぐ答えられず。声を絞り出すように、短い返答が精一杯。その声が震えてる。「1から出直します。」

見ていて、胸がつまりました。いつかは誰もが通る道かもしれません。でも、辛い。

来期は戻ってきてくれるように応援したいです。

 

阿久津vs佐藤の対局についても一言だけ

阿久津八段が勝って、一矢報いた

103手で、阿久津八段が勝つ瞬間(佐藤会長が投了する時)を見ました。

阿久津八段が、感無量というか、下を向いて、目をつぶり、静かに「やった。。。終わった。。。」という感じの表情。

ハァー、終わったあーとかでなく、背負ってたものがやっと取れた、みたいな。あーヨカッタァーって軽い感じでなくて、やっと呪縛から解かれた、これでやっと今日から安心して寝れる、みたいな表情。うまく言えないけど。

A級で負け続け(全敗。。)た阿久津八段、想いが色々あったんだなーっ、辛かったんだな、っておもんばかる表情でした。阿久津八段も少し涙が。。って見えた気がしたんだけど、見間違えかな?

A級の最終戦は、真剣勝負と勝負以外の色々な想いが伝わってくる、素晴らしい対局でした。

 

豊島二冠と佐藤天彦名人の戦い、めちゃめちゃ楽しみですね。

名人戦の第1局は、4月10日・11日、第2局は4月22日・23日 です。まだ先だけど今から待ち遠しい。

 

その前に、3月5日のC級1組の順位戦の最終戦も楽しみ。杉本師匠(と藤井聡太七段)の昇級も応援したいです。

特に杉本師匠には是非、絶対昇級してほしい。50歳での昇級なんて、なかなかないですもん、きっと相当努力されたんでしょうね、杉本師匠。

8段に昇段もした師匠↓ の話

 

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